スズキコージさんの絵本『ヤッホー・ホイホー』の感想です

大人におすすめナンセンス絵本

大きな絵を分割して絵本にしていることが、後から分かり、ちょっとがっかりしました。
ポスターとして販売してほしかったなあと思います。


スズキコージさんの『ヤッホー・ホイホー』のストーリー

どこもかしこも雪が降る森の中で、「ヤッホー・ホイホー」という歌声が聞こえてきます。そして、森の動物や、人や妖精たちが集まってきます。
「ヤッホー・ホイホー」は、エゾウサギがギターを弾きながら歌う、ロックンロールです。集まってきた生き物は、みんな生き生きとしています。


聴こえてくる音楽に包まれて歌を歌う

エゾウサギとその後ろにいるウサギが可愛いです。

あと、途中で登場する森の神様も、とぼけた表情で可愛いです。

その他にも森のあちこちに謎な生き物がいますので、それを見つけて楽しめます。

どのページにも音楽が流れているように感じます。これは、スズキコージさんの絵本の特徴ですね。

この絵本は、エゾウサギがロックンロールを歌っていますので、特にそう感じるのかもしれません。

エゾウサギが持っているギター(イメージです)


また、絵本の中には、スズキコージさんの絵本によくある、謎な言葉がたくさん出て来ます。またスズキコージさん、言葉遊びしてるなあ。そう思って、巻末の説明を読んだら、違っていました。

謎の言葉は、アイヌ語で、意味がある言葉だったのです。

例えば
・ラポラポラ→羽ばたく
・ミナミナ→ニコニコ笑う
・ピト→神、人
・モイモイケ→動く
・ルイルイパ→なでる


こんな感じ。

アイヌの言葉を期せずして学べてしまいました。なんか嬉しい。

 

目の粗さから分かった残念ポイント

この絵本、初めてページをめくった瞬間に、ちょっと違和感を感じました。

それは、絵を描いているキャンバス地の目が荒いこと。

つまり、絵をかなり拡大しているようなのです。

これは最後にその理由がわかります。

最後に、4つ折りしたポスターがついているのですが、その絵のあちこちを拡大して、それをページに分けて、言葉を載せていたのです。

私は、これを知ってちょっと残念に思いました

原画のサイズは分かりませんが、キャンバス地の目の大きさから考えると、そんなに大きくないのかもしれません。

スズキコージさんは、巨大な布に絵を描くことも多いので、もしかしらた大きいかもしれませんが。

この本は、Amazonとかでは著者欄に名前があるのですが、本の奥付けだと、(著者)ではなく(企画)として名前が入っていました。

推測するに、絵が先にあって、そこから絵本にする企画ができたのではないかと。

実際は分かりませんが、そのあたりが、私が残念に思った理由のような気がします。

正直私は、ポスターを(できれば折り目のない)手に入れていた方が嬉しかった気がしました。


※スズキコージさんの本は、廃版になっていたり中古で高額販売されている場合がありますので、ご注意ください。

ヤッホー・ホイホー
スズキ コージ (絵), 松本 猛 (作)
出版社:講談社
発売日: 2013/10/31
本のサイズ:26 x 21.2  cm
ページ数:44ページ
価格:1,400円+税(購入時の価格です)
主人公:エゾウサギ
登場人物:森の人、小人、妖精
登場動物:クマ、エゾシカ、オオカミ、ウサギ、ウマ