スズキコージさんの絵本『かぞえうたのほん』の感想です

大人におすすめナンセンス絵本

とにかく出てくる絵がシュールでやばい。数え歌の調子もたのしいんですが、スズキコージさんの絵がとにかくすごくて、こどもに見せていいのか不安になります(笑)。


スズキコージさんの『かぞえうたのほん』のストーリー

さまざまな数えうたにスズキコージ さんの絵が添えられています。
すうじさがしかぞえうたいーいーいーかぞえうたひのたまかぞえうたききたいかぞえうたへんなひとかぞえうたすいぞくかんかぞえうたの6つのかぞえうたです。それぞれのかぞえうたは、絵の描き方、タッチが違います。


いろいろな数え歌といろいろな絵のスタイル

数え歌というのは、例えば数字であれば、数字を順番に歌っていくものですね。語呂を合わせて同じ調子で、歌が展開されていきます。

たとえば『すうじさがしかぞえうた』だと、「いちば(市場)で犬が にわとりにらんだ」みたいな感じ。「いちば」に「いち(1)」という数字が、「にわとり」に「に(2)」という数字が入っています。

そのつぎには、「さんま さかだち しか しらんぷり」と続きます。3と4ですね。なんとなく歌が聞こえてきます。

これがページをめくるたび続くので、楽しくなります

ぜったい歌を歌います(声に出さなくても、体が勝手に歌ってきますよ)

 

いろいろな数え歌といろいろなヤバイ絵

どのかぞえうたにも、あきらかにヤバイ絵が混じっています

とにかくヤバイんです。子供に見せていいのか、これ?って感じます。(まあ、スズキコージさんらしいのですが)


スズキコージ わざとやっているのではないか?と疑ってる、自分がいます。

いくつか挙げると、『いーいーいーかぞえうた』の中の、「きゅうちゃん きゅうくつ きゅーきゅーきゅー」の絵だと、おかしな体勢で男の子(きゅうちゃん)が箱の中に入っています。

イメージです


キュビズム的な絵です。


子供は真似しちゃいけませんよ。関節が外れます。

『ききたいかぞえうた』だと、「むっつ むつごろうに むしばあるかな?」の絵。歯医者さんとムツゴロウが同じ身長です。

イメージです


ムツゴロウでかい。170cm台ですね。


そもそもムツゴロウが歯を診てもらうのがシュールですけどね。


それぐらいはスズキコージさんの世界では普通です。

他にも、きゅうりを腐らせてたべる子供とか、さといもに砂をふって食べる子供とか、数珠持って巡礼にいくジュゴンとか。

まあ、そういう歌だから、そういう絵なのかもしれませんが、いろんな意味で、イっちゃってます。


※スズキコージさんの本は、廃版になっていたり中古で高額販売されている場合がありますので、ご注意ください。

 

かぞえうたのほん
岸田 衿子 (著), スズキ コージ (イラスト)
出版社:福音館書店
発売日: 1990/7/10
本のサイズ:28 x 21.7 cm(タテxヨコ)
ページ数:32ページ
価格:1,100円+税(購入時の価格です)
登場人物:いっちゃん、にーちゃん、さんちゃん、よんちゃん、ごーちゃん、ろくちゃん、ななちゃん、はっちゃん、きゅうちゃん、じゅっちゃん、いちくん、にーくん、さんくん、よんくん、ごーくん、ろくくん、ななくん、はちくん、きゅうくん、じゅうくん
登場動物:イヌ、ニワトリ、サンマ、シカ、ゴリラ、ロバ、テントウムシ、ハチ、クマ、タヌキ、ヒヨコ、フクロウ、ミミズ、ヨシキリ、イノシシ、ムツゴロウ、ウサギ、ヤギ、リス、トカゲ、トンボ、イタチウオ、ニシキゴイ、ナマズ、シーラカンス、ハゼ、ロウソクガイ、ナメクジウオ、ハナヒゲウツボ、クダマキガイ、ジュゴン、タコ