スズキコージさんの絵本『サルビルサ』の感想です

大人におすすめナンセンス絵本

とにかく絵のインパクト、圧がすごいです。
戦争の虚しさを描いている気がしますが、とにかく圧がすごいです。


スズキコージさんの絵本『サルビルサ』のストーリー

馬に乗り、槍を持って、獲物(何の動物か不明)を追う、四角い顔の兵士。「モジモジモジ」と声を出して、追いかけている。反対側から別の国の兵士が、「ジモジモジモ」と声を出して、おなじ獲物の前へ現れる。同時に獲物に槍を刺し、「サルビ」「ビルサ」と声をかける。その出来事が元で、二つの国は戦争になるのだが、最後に残るのは。

逆さ言葉がクセになり、つい口ずさむ

左から来る兵士と、右から来る別の国の兵士。口に出す言葉が逆になっています。


「モジモジモジ」「ジモジモジモ」
「サルビ」「ビルサ」
「ズナカズナカ」「カナズカナズ」
のように。


なぜかは分かりません。


ただこれが、インパクトのある絵と相まって、どんどんくせになっていきます。
調子に乗って、自分オリジナルの言葉も口から出てきます。

「ドモドモ」「モドモド」
「コデララウビ」「ビウララデコ」
「ソウジャナイヨ」「コウデモナイヨ」→逆になっていないダメ
「イムサラスウ」「ウスラサムイ」
「ココデタナ」「ナタデココ」

こんな感じで(笑)。

スズキコージ さんの絵は、どの絵本でもインパクトがあるのですが、特にこの「サルビルサ」はすごいです。


ページをめくるたび、絵に飲み込まれます。


ドキドキします。
とにかく圧倒されます。


絵が強烈なので、好みは分かれるかもしれませんが(まあスズキコージ さんの絵はぜんぶそうなのですが)、この絵本はお子さんも楽しめるような気がします。(戦争の話なので、難しいかな)


あと、面白いというか、可愛いのが、戦争が終わったところで、倒れている人たち。目がバッテン印になっていて可愛い。


笑っちゃいけないシーンなのですが、でも可愛くて、ムフフフとなってしまいます。ぜひ見てほしいです。

四角い人は人間なのでしょうか

気になるのは、最初に登場する四角い顔の人。正確には顔がしかくいわけではなく、印象として四角いのです。


この人たち、みんなお城が人間になったような感じなのです。


髪型とかは、お城の塀のようですし。これは髪じゃなくて帽子か冠のようなものかもしれません。

四角い人(イメージ)


もしかしたら人間じゃないのかもと思いますが、どうでしょうか?
とくに王様は、体もでかくて、人間を超えてしまってますね。

あと気になるのは、裏表紙。


槍がはまっているのは、絵を描くときに絵の具を置くパレットだと思います。


よく見ると、スズキコージ さんのサインも入っています。


戦争なんかやめて、絵を描こうというメッセージですよね、たぶん。

※スズキコージさんの本は、廃版になっていたり中古で高額販売されている場合がありますので、ご注意ください。

サルビルサ 
スズキコージ 
出版社: 架空社
発売日: 1996/9/1
本のサイズ:29.6 x 22.6 x 1 cm
ページ数:32ページ
価格:1500円+税(購入時の価格です)
主人公:兵士
登場人物:兵士
登場動物:ウマ、ラクダ、犬、小動物(獲物)、カラス