【妄想レビュー】CINEMA『11月の終わりはすでに12月』

妄想レビュー

『11月の終わりはすでに12月』 ~ すれ違う二人の運命がタイムトラベルでもすれ違い ~

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監督 マーサ・ツーボイ 
出演 レオン・ツーボイほか
撮影 ラーキー・ツーボイ
VFX ヨッシー・ツーボイ
メイク コーモリ・ツーボイ
2016年 日本 92分

ストーリー

主人公、のぞみのところに、未来の自分から手紙が届く。そこには、夏に知り合った和男が、実は未来からやってきたと書いてあった。和男に惹かれていくのぞみだが、手紙の中に書いている事件が実際に起こって、自分もタイムトラベルの渦に巻き込まれていく。

レビュー

 今回もマーサ・ツーボイの監督作品を紹介する。残念ながら過去の作品は一般上映されないままである。カセットテープ化されたというツイートを見たことはあるが、まあデマであろう。


 そんなマーサ・ツーボイの新作を見ることができた。「ツーボイロス」と言えるほど彼の作品の渇望状態だったため、とにかく嬉しくて仕方がない。今回の作品は、資料によれば、タイムトラベル恋愛ものだそうである。

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 映画は、一人暮らしの女子高生のぞみが、ベッドの端に座って手紙を見つめているシーンから始まる。手紙は未来から届いたと言うことが、すぐに分かる。


 その未来というのが、3時間後というのが、設定としてかなり斬新だ。主人公が手紙を読んでいる、その数時間後にはタイムトラベルというものを経験し、その上で、過去の自分に手紙を書くのだ。のぞみは、一緒に机の引き出しに入っていた懐中時計の針を回すことで、タイムトラベルをすることになる。

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 タイムトラベルもののお約束でパラレルワールドの存在が明らかになるのだが、問題はパラレルワールドの数の多さだ。何かの選択の裏で、選択しなかった世界が存在してしてしまうパラレルワールド。この映画では、靴下を左足から履いたか右足から履いたかとか、シャープペンシルの芯を出すのに、ノックを何回したとか、そんなどうでもいいことごとでパラレルワールドが存在してしまう。

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 そのひとつひとつどんな理由で分岐が起こったのかのテロップとともに画面がどんどん分割されて、スクリーンに広がっていく。


 一応物語は、主人公のぞみが未来からきた和男の秘密(それほどの秘密ではない)を知り、エンディングへとぼんやりと進んでいく。まあこの先が気になる方は映画を、どこかで観ていただきたい。


 この作品で一番驚いたのがエンディングである。エンドロールで、出演者や制作スタッフなどの名前が流れたあとにスクリーンに例の懐中時計が現れる。その針の時間が巻き戻っていく。そこで終了。


 そして、席を立ち、カバンの中からスマホを取り出し、電源を入れた瞬間愕然とした。スマホの時計が映画を見始める前の時間に戻っているのである。周囲には誰もいない。


 私がタイムトラベル???


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