ひとり楽しく森で生きている彼女(くま)の姿に元気をもらいます。
そして役割があって仲間がいるってことが素敵なことだなあと感じさせてもらえます。
スズキコージさんの『もりもりくまさん』のストーリー
森のなかに住む、もりもりくまさん。森のなかで楽しく過ごしています。もりもりくまさんは森が好き。峠のそばやでもりそば食べたり、スーパーをはしごしたり。もりもりくまさんは料理上手で、おきゃくさんを呼んで、夕ご飯を食べて盛り上がります。
不思議と可愛く見えてきます
もりもりくまさんは、女の子。赤いワンピースを着て、リボンをつけているから。
でも森の家にひとりで住んでいるみたいなので、もうすこし大人なのかもしれません。
力持ちで、体操もうまい。
とにかく森の中で楽しんで生活しているのが伝わってきます。
ちなみにもりもりくまさん、一見すると可愛くありません。
表情がインパクトあります。どのページのくまさんも、顔のパーツの位置がなんだかずれていて、ヘンテコなんです。
一見すると可愛くないと書きましたが、このヘンテコがクセになっていきます。逆に比較的普通の表情のページがつまらなくなります。
ページをいったりきたりしてくまさんを見るのも楽しいです。
どんどん可愛く思えてくるから不思議。
ストーリーは森の生活をたんたんと見せていく感じですが、途中、おそばやさんで、森そば(盛りそばのダジャレですね)を食べたり、スーパーを3軒はしごしたり、人間が関わっているところにも行きます。
森には人間もいますし、動物もいますが、その中間のような妙な生き物もたくさんいます。スズキコージ さんらしいのですが、これらの生き物を1匹ずつ確認するのも楽しいです。
各ページの文は、さいごにかならず「わお!」と入っていて、これがリズムを生み出しています。
こどもに読み聞かせしたら、たぶん一緒に声を出してくれるのではないかと思います。
一人で読むときも(恥ずかしいので声には出しませんが) 、「わお!」と心の中で叫んでいます。
もりもりくまさんは女の子の一人暮らしなのか
気になるのは、もりもりくまさんの暮らしですね。
森の中で一人暮らししていると思うのですが、楽しそうです。
自分がもし森の中で一人暮らしになっていても、同じように楽しくできるのか、という視点で絵本を見ています。
やはりポイントは、仲間や知り合いがいるってことでしょうか。
最後の方にはくまさんが得意の料理を振る舞うシーンがあって、いろいろなお客さん(お友達とは書いてありません)がおうちに来て料理を食べます。
これって、自分が誰かの役に立っているというか、必要とされているってことですよね。
自分の得意で誰かの役に立つっていうのが、特に働く(仕事)という意味で重要だといつも思っているので、そういう点で、この本は、じんわりと呼んで嬉しくなるのです。
※スズキコージさんの本は、廃版になっていたり中古で高額販売されている場合がありますので、ご注意ください。
もりもりくまさん
スズキコージ 作
出版社:すずき出版
発売日: 2009/6/1
本のサイズ:21.7×23cm
ページ数:24ページ
価格:1,100円+税(購入時の価格です)
主人公:もりもりくまさん
登場人物:蕎麦屋の主人、森を歩く人
登場動物:ヤギ、ウマ、ウサギ、トリ、ハチ、正体不明動物