【妄想レビュー】IoT味噌汁吸引機『シースルーズル』
以前紹介した、食べ物を口まで運んでくれるお箸『パシリー』、お茶碗の中のご飯をすくって口まで運んでくれる『チャーリン1』に続く三つ目のIoT製品を紹介する。
製品の名は『シースルーズル』と言う。味噌汁を手を使わず飲むことができる製品である。

まず、炊飯器のような箱の中にできたてのお味噌汁を入れ蓋をする。
スイッチを入れると、味噌汁が吸い上げられ、平たい円柱の容器に入ったあと、ヘルメットの上を通って、顔の前にぶら下がったストローへ到達する。
そして手を使わずに味噌汁を飲むことができる。
複雑で壮大な技術である。

「特に苦労したのは、温度調整です。熱すぎると飲めない方もいますから」
開発者割手(わりて)氏の赤く、ただれたクチビルが開発の凄まじさを物語っている。
温度調整は平たい円柱の容器の中で行われているそうだが、中の機構は企業秘密のことだった(作動時の音からすると、扇風機のようなものだろう)。
ストローの手前で、ズルズルっと音が出る機構が組み込まれているのも心憎い。
人工知能が使われていないようだが、そのことを問うと、割手氏は「わ、忘れてました!すぐ足します」と、隠し味の調味料を入れ忘れたシェフのような表情を見せた。
市販化まではもうしばらくかかりそうである。
