「魔女の宅急便」を書いた作家の角野栄子さんのお話に、スズキコージ さんが絵を描いたもの。けっこう絵がどぎついので、僕はちょっと苦手です。
スズキコージさんの『トラベッド』のストーリー
女の子のヒロちゃんは、アイちゃんという妹ができてから、お父さん、お母さんがあまりかまってくれないことに不満がつのっています。
ある日、妹のアイちゃんのベッドに、いじわるでトラの顔を描きます。
「こわいトラだぞ、たべられちゃえ」って言いながら、お母さんの元へ戻ります。しばらくすると、ウォーッと大きな声が聞こえてきます。
なんと、トラの顔を描いたベッドが、本物のトラになっていたのです。このままだと妹のアイちゃんが食べられちゃうと、ヒロちゃんはトラに向けて、もっと美味しいものがあるよ、と色々な提案をしていきます。
魔女の宅急便の作者がお話を書いてます
この絵本は、作家の角野栄子さんのお話に、スズキコージ さんが絵をつけたものです。
なので、お話が中心。お話を読んでから、絵でイメージを膨らます感じです。
角野栄子さんは、「魔女の宅急便」(小説)の作者です。
妹や弟ができて、自分があまりかまってもらえなくなる、っていうのはよく聞く話ですね。
主人公のヒロちゃんも、自分がかまってもらえないことから、いじわるで、トラの顔をベッドに描くのですが、そのベッドが本物のトラになって、大変なことになります。
スズキコージさんの絵は、ちょっと怖くて、ちょっと可愛い感じ。
主人公のアイちゃんやお母さんの絵のは、グレーの影とかも入っていて、ちょっと不気味に見えます。わざと描いたというより、描いたらそうなったのかなと感じます。
一方トラは、怖いはずなのに、なんか可愛いです。これも、描いたらそうなったのかもしれません。どのページのとらもなんだかかわいい。
スズキコージさんに聞いてみないと分かりませんが、私にはその対比が面白かったです。
ちなみに、奥付の次のページに描かれている、裏返っているトラがとても可愛いです。見逃さないように。
この絵本の絵は、たぶんサインペンで描かれています。しかも色数を絞っている感じです。
こういう描き方をしているスズキコージさんの作品は他にもあります。「ウシバス」とかもそうですね。
このタッチは、好みが分かれるかもしれません。
私はどちらかというともっと色が重なっているものが好きです。
なぜかエビフライ登場
妹のアイちゃんが、トラに食べられないように、アイちゃんは、もっと美味しいものがあるよ、と色々な食べ物を提案します。
ケーキとか、プリンとか。
でもトラは、アイちゃんの方がおいしそうと取り合ってくれません。
その中で、トラが立ち止まって考えちゃうものが、エビフライを乗せたケーキ。
エビフライ?
なんで?となりますが、名古屋人の自分には、ちょっと響きつつなんとなく嬉しくなりました。
ケーキの上はイヤですけどね。
※スズキコージさんの本は、廃版になっていたり中古で高額販売されている場合がありますので、ご注意ください。
角野栄子作 スズキコージ 絵
出版社:福音館書店
発売日: 1994/6/30
本のサイズ:21.2 x 18.8 (タテxヨコ)
ページ数:68ページ
価格:1,100円+税(購入時の価格です)
主人公:ヒロちゃん
登場人物:アイちゃん、お母さん、お父さん
登場動物:トラ(ベッド)、イヌ