スズキコージさんの絵本『ブラッキンダー』の感想です

大人におすすめナンセンス絵本


スズキコージさんの『ブラッキンダー』のストーリー

犬のフンザくんは、ある日おもちゃの船を完成させて、そのまま寝てしまいます。すると、机の上においてあったインクの瓶から現れたブラッキンと、サボテンのキンダーが動き出し、おもちゃの船に乗って旅にでかけます。空を飛び、湖を進み、砂漠を走る。二人の大冒険の結果は。


ティム・バートン好きにおすすめかも

インクの瓶からブラッキンは現れますが、なんの前振りもなくいきなり出てきます。

いきなりです。

ブラッキンという名前から分かるかもしれませんが、全身真っ黒。

目が黄色く光っていて不気味。

私の好きな映画監督のティムバートンが描くキャラクターみたいです。

そして歩き回ると、黒いインクをまき散らします。でも、それが何か絵になっている。

ブラッキーが出てきたインクの瓶(イメージです)



そしてこれまた何の前振りもなくサボテンが動き出します。サボテンのキンダーちゃんは女の子みたいです。

このいきなり感がスズキコージさんらしくて最高です。

理屈は不要。

どのページも勢いがあって素敵なのですが、私が特に好きなのは、湖の中で、たくさんの船と魚が、ぐるぐる回るページ

ひとつずつの船も、よく見る乗っている人たちも、そして魚も、本当にたくさん回遊していて、ずっと見て入られます。

この船に乗っているものは何だろうとか、このお魚変わっていて可愛いとか。

このページだけでかなりの時間楽しめます。

 

夢か現実か(絵本の世界は現実ではないけど)

気になっているのは、このストーリーもしかしたら、犬のフンザくんの夢なのかもってことです。

なぜなら、初めの方で、船のおもちゃと作ったあと、フンザくんは寝てしまうから。

机の上には、インク瓶とサボテンと、作った船が置いてある。

それで夢を見たのかなと思います。

ただ、目が覚めた時に、机の上がインクだらけになっているので、それを考えると夢ではないのかもしれませんね。

 

子供の頃私は、よく戦艦のプラモデルを作っていました。お小遣いの都合もあって、値段の安いものを買っていました。

家から歩いていけるところにおもちゃ屋さんがありましたね。

最近は町のおもちゃ屋さんってないのでしょうか?

あんまり見かけないかも。

名古屋だと、大須というところへ行くと、商店街におもちゃ屋さんは結構ありますね。

私の好きな本屋さんもですが、ちいさな町のお店は、何か新しい形(マネタイズも含めて)でまた盛り上がってほしいです。

 


※スズキコージさんの本は、廃版になっていたり中古で高額販売されている場合がありますので、ご注意ください。

データ:
ブラッキンダー スズキコージ 作
出版社:イースト・プレス
発売日: 2008/8/17
本のサイズ:26.5 x 21.8 cm(タテxヨコ)
ページ数:32ページ
価格:1,300円+税(購入時の価格です)
主人公:ブラッキン、キンダー
登場人物:船に乗る人たち
登場動物:フンザくん(犬)、サカナ、トリ、おおおとこ