主人公の男の子と、犬のワンダがふたりで、お父さんを待つ姿がとてもいいんです。
犬好きな人にぜひ読んでほしいです。
スズキコージさんの『おとうさんをまって』のストーリー
仕事に出かけたお父さんを待つ男の子のお話。
男の子のお父さんは北の国の方へ仕事に行き、一度仕事に行くとしばらく帰ってきません。お父さんを見送ったあと、主人公と犬のワンダは、おもちゃ屋さんへ行きます。
おもちゃ屋さんには、汽車のおもちゃが、窓の近くに飾られていて、ジオラマの中を走っています。そのジオラマは季節に合わせて変わって、男の子はそれを見におもちゃ屋さんへ通います。
ワンダもいつも一緒。おもちゃの汽車を見ながら、お父さんのことを思って、待つのです。
犬のワンダがとにかくかわいい
主人公といつも一緒にいる、犬のワンダがかわいいです。
ワンダの本名(犬に本名があるのか?)は、ワンダフルです。
おすすめは、最初の方のページで、橋のところに主人公とワンダが並んで、お父さんを見送っているところ。
何度見てもかわいいんですよね。
あと最初のページでは、ワンダが若干平べったく見えるのも、いいんです。
味があります。
あと、これは面白いというよりせつないポイントですが、おもちゃ屋さんの中には入れないというシーン。
他の子供は、おもちゃ屋さんの中に大勢いるのに、主人公は我慢して外にいます。
それは、ワンダがいるから。犬はお店に入れないんですね。
中にいる子どもたちを見て、ちょっとうらやましいような、でもワンダの方が大事だよね、という感じが絵から伝わってきます。
うーん、たまらない。
最後に仕事から帰ったお父さんから素敵なプレゼントをもらいます。何かは読んだ時のお楽しみで。
私も犬を飼ってました
実家では子供の頃からずっと犬がいました。
私が雑貨屋さんをしているとき、お店に捨て犬が迷い込んできて、そのまま飼ったこともあります。仕事が終わって家に帰ると、犬が尻尾を振って迎えに来てくれていたので、そのことを思い出しました。
私が普段餌をあげたり、散歩に連れて行っていたわけではないので、純粋に会えるのが嬉しいと、感じてくれていたのかなと思うと、幸せな気持ちになります。
犬って不思議な生き物ですよね。人に寄り添って、愛らしい。
絵本でも、そんな感じが伝わってきます。
ちなみにこの絵本、ストーリーと文章は、片山令子さんという方が書いています。
スズキコージさんは、自らお話も書くこともありますが、絵だけを担当する作品も多いです。
※スズキコージさんの本は、廃版になっていたり中古で高額販売されている場合がありますので、ご注意ください。
片山 令子 (作)、スズキ コージ (絵)
出版社:福音館書店
発売日: 2007/11/15
本のサイズ: 19.5 x 27 x 0.7 cm
価格:800円+税(購入時の値段です)
ページ数: 32ページ
主人公:男の子
登場人物:お父さん、街の人
登場動物:ワンダ(犬)